第2条 配管類
2.1 )配管類の保護
燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部から損傷を受けぬよう(飛石、腐触、機械的損傷等)、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室内には絶対に火災および損傷を発生させない配慮を必要とする。当初の保護物をそのまま維持するのであれば追加の防護は不要であるが、防音材および防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる防護策を講じなければならない。
2.2 )配管類の取付け
2.2.1 )冷却水または潤滑油を収容する配管:車室外部になくてはならない。
2.2.2 )燃料または油圧液を収容する配管:車室を通過して良いが、第2−1図および第2−2図に従った前後の隔壁部分とブレーキ回路およびクラッチ液回路を除き、車室内部にいかなるコネクターも有さないこと。

2.3 )配管および取付け具の仕様
2.3.1 )燃料、潤滑油または油圧液を収容する配管が柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクター、はめ込み式のコネクター、または自動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しないもの)外部保護鋼材を有していることを推奨する。
2.3.2 )燃料を収容する配管は、135℃(250°F)の最低作動温度で計測した場合に、70bar(1000psi)の最低破裂圧力を有していることを推奨する。
2.3.3 )潤滑油を収容する配管は、232℃(450°F)の最低作動温度で計測した場合に、70bar(1000psi)の最低破裂圧力を有していることを推奨する。
2.3.4 )油圧液を収容する配管は、232℃(450°F)の最低作動温度で計測した場合に、280bar(4000psi)の最低破裂圧力を有していることを推奨する。油圧システムの作動圧力が140bar(2000psi)を超える場合は、作動圧力の少なくとも2倍の破裂圧力がなければならない。
解説
第2条では、ラリー車両の配管に関する安全基準を定めています。2.1では、燃料、オイル、ブレーキ配管を飛石や腐食、機械的損傷から守る保護策が求められ、車室内での火災や損傷防止も必須です。元の保護物が維持されていれば追加は不要ですが、防音材等を外して配管が露出する場合は適切な防護が必要です。2.2では配管の取り付けを規定し、冷却水や潤滑油の配管は車室外に、燃料や油圧液の配管は車室を通過可能ですが、コネクターは図示された隔壁部分とブレーキ・クラッチ回路以外に設けてはいけません。2.3では配管の仕様を推奨し、柔軟な配管には耐摩擦・耐炎性の保護材と特定コネクターが望ましく、燃料配管は135℃で70bar、潤滑油配管は232℃で70bar、油圧液配管は232℃で280bar(作動圧力140bar超なら2倍)の破裂圧力を持つことが推奨されます。これらは安全確保のための基準です。