メーカーラインオフ時に装備されている安全ベルト(3点式等)に加え、4点式以上の安全ベルト(FIA公認安全ベルトの使用を強く推奨する。)を装備することを強く推奨する。なお、ラリー競技開催規定における第2種アベレージラリー競技開催規定における第4条3に該当する区間が設定されている場合、およびスペシャルステージラリー競技開催規定に従った競技会に参加する場合は、当該規定に従うこと。装備する場合、下記条件に従わなければならない。
①追加装備する安全ベルトはワンタッチ式フルハーネスタイプ(4点式以上)とし、第5編細則「ラリー競技およびスピード競技における安全ベルトに関する指導要綱」または第5編細則「レース競技における安全ベルトに関する細則」またはFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条安全装置第6項「安全ベルト」のいずれかに従うこと。FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に定められた取り付け方法も可(第2−3図~第2−5図参照)。

②追加装備する安全ベルトは、既設の安全ベルト(3点式等)の取り付け装置にフック等を用いて容易に着脱できる構造でなければならない。自動車製造者が設置した「取り付け部(取り付けネジ部):Anchor」を使用せず新たに設置する場合は以下によること。
・車体に固定する場合は自動車製造者が設置した取り付け部を除き、脱着開閉する部位は不可。
③追加装備する安全ベルトは競技走行中のみ装着することが許される。したがって、それ以外の通常走行時は既設の安全ベルト(3点式等)を装着すること。
④競技中に4点式以上の安全ベルトを装着する場合には、乗車人員は2名とすること。
⑤4点式以上の安全ベルトを追加装備することにより後部乗員の乗降性が確保できなくなる場合には、各運輸支局等において乗車定員変更のための構造等変更検査の手続きを行うこと。
肩部ストラップの取り付け
肩部ストラップは、ループによって安全ケージあるいは補強バーに固定できる。また、それを後部ベルトの上部取付け点に固定、もしくは安全ケージのバックステー同士の間に溶接された横方向の補強材、または第253−18図、第253−26図、第253−27図、第253−28図、あるいは第253−30図に従う溶接された横断するパイプによる横方向の補強材に固定またはそれを拠り所としても良い。(付則J項第253−66・67図参照)注:第2−3図~2−5図に同じ。

解説
第3条では、ラリー車両の安全ベルトに関する基準を定めています。工場出荷時の3点式安全ベルトに加え、4点式以上の安全ベルト(FIA公認を推奨)を装備することが強く推奨されます。特に第2種アベレージラリーやスペシャルステージラリーでは規定に従う必要があり、装備時は以下の条件が適用されます。①追加の安全ベルトはワンタッチ式フルハーネス(4点式以上)で、第5編細則やFIA規則付則J項第253条に従い、指定の取り付け方法(図参照)が可能です。②既設の3点式ベルトの取り付け部を利用し、フックで着脱可能な構造が求められ、新設の場合は車体の固定部(開閉部除く)に限ります。③4点式以上は競技走行中のみ使用でき、通常走行時は3点式を使用します。④競技中は乗員2名に限定されます。⑤後部乗降性が損なわれる場合、乗車定員変更の手続きが必要です。肩部ストラップは安全ケージや補強バーに固定でき、FIA指定の図に従った補強材への取り付けも認められます。これらは安全確保のための基準です。