第4条 消火装置

手動消火器または自動消火装置を装備することを強く推奨する。なお、ラリー競技開催規定における第2種アベレージラリー競技開催規定における第4条3に該当する区間ならびにスペシャルステージが設定されている場合、およびスペシャルステージラリー競技開催規定に従った競技会に参加する場合は、当該規定に従うこと。これらの消火装置はFIAの認定を受けたものであることが望ましく、装着する場合は下記条件に従わなければならない。

4.1 )手動消火器

手動消火器とは消火器単体をドライバー等が取り外して消火を行うための消火器をいう。

4.1.1 )取り付け

各々の消火容器の取り付けは、クラッシュ時の減速度がいかなる方向に加えられても耐えられるように取り付けなければならず、取り付け方向は車両の前後方向中心線に対し直角に近い状態であること。(リベット止めは禁止される)金属性ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着のみ認められる。

4.1.2 )取り付け場所

消火器はドライバー等が容易に取り外せる位置に取り付けられなければならない。

4.1.3 )検査

下記情報を各消火器に明記しなければならない。
− 容器の容量
− 消火剤の種類
− 消火剤の重量もしくは容量
− 消火器の点検日

4.1.4 )消火器の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはならない。)但し、2年毎の点検を継続したとしても消火器の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
− 消火器の製造者が有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
− 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
外部が損傷している容器は交換しなければならない。

4.1.5 )仕様

1つあるいは2つの消火剤容器とする。粉末2.0kg以上(AE車両はABC消火器を推奨する)、または、FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。

4.2 )自動消火装置

自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルームに対し起動装置によって同時に作動するものをいう。

4.2.1 )取り付け

各々の消火装置の容器は、いかなる方向にクラッシュ時の減速度が加わってもそれに耐えられるように取り付けられなければならない。

4.2.2 )操作・起動

2つの系統は同時に起動しなければならない。いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでない場合、主要エネルギー源からでないエネルギー源を備えなければならない。運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作できなければならない。車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサーキットブレーカーに隣接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければならない。また、赤色で縁取られた直径が最小10cmの白色の円形内に赤色でEの文字を描いたマークによって表示されなければならない。ヒートセンサーによる自動起動装置が推奨される。装置はいかなる車両姿勢にあっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動しなければならない。

4.2.3 )検査

下記情報を各消火器に明記しなければならない。
− 容器の容量
− 消火剤の種類
− 消火剤の重量もしくは容量
− 消火器の点検日

4.2.4 )消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはならない。)但し、2年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
− 消火装置の製造者が有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
− 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。    外部が損傷している容器は交換しなければならない。

4.2.5 )仕様

FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。消火装置は耐火性でなければならず、また、衝撃に対して防護されていなければならない。消火剤の噴出ノズルは、乗員に直接消火剤がかかることのないように取り付けなければならない。(凍傷の危険)

4.2.6 )放射時間

車室内 :最短30秒/最長80秒
エンジン(AE車両については電気モーターを含み):最短10秒/最長40秒
両方の消火装置が同時に作動しなければならない。

解説

第4条では、ラリー車両に手動消火器または自動消火装置の装備を強く推奨し、特に第2種アベレージラリーやスペシャルステージラリーでは規定に従う必要があります。FIA認定品が望ましく、装着時の条件が定められています。手動消火器はドライバーが取り外して使うもので、クラッシュに耐える金属ストラップ付きのワンタッチ金具で車両前後方向に直角に近い状態で固定し、容易に取り外せる位置に設置します。容量や消火剤の種類、点検日(2年以内、製造者指定の耐用年数超え不可)を明記し、粉末2kg以上またはFIA指定の内容量が必要です。自動消火装置は車室内とエンジンルームに同時作動する固定式で、クラッシュに耐える取り付け、運転席と外部からの操作(赤色Eマーク表示)、ヒートセンサー推奨が条件です。点検条件は手動と同じで、FIA指定の消火剤を使い、噴出時間は車室内30~80秒、エンジン10~40秒です。これらは火災時の安全確保を目的としています。