第9条 車体 RJ車両
9.1 )外 観
9.1.1 )ホイールキャップは取り外さなければならない。
9.1.2 )ヘッドライト保護用のカバーの取り付けは許されるが、いかなる場合でも空力特性並びに冷却特性に影響を及ぼすものであってはならない。
9.1.3 )車体下部を保護することを目的とした空力効果を生じない保護体(アンダーガード等)の装着は認められる。
9.1.4 )前後ワイパーブレードの変更は許される。
9.1.5 )空力装置については純正装着のものを取り外すことは許される。また交換、追加することも許されるが、その場合は公認書およびカタログに記載されているものを強く推奨される。また、第5編細則「アクセサリー等の自動車部品」の1に該当する部品については、取り付けが堅牢であることを含み、同細則「エア・スポイラの構造基準」に合致しているものであれば装着が認められる。
9.1.6 )マッドフラップは、以下の条件で装着することができる。
①柔軟な材質でかつ排気管等と干渉してはならず、車体外側表面部位は外側に向けて尖っていたり、鋭い部分がないこと。
②それらは少なくともホイールの全幅を覆い、かつマッドフラップに覆われていない部分が車両の幅の1/3以上であること。 ③リアホイールより前方に装着されるマッドフラップ(センターフラップ)の左右の間には、少なくとも20cmの間隔がなくてはならない。
④これらのマッドフラップの底部は、車両停止時に乗員なしで地表から10cm以上に位置してはならない。
⑤垂直投影面にあって、これらのマッドフラップは車体から突出していてはならない。
9.1.7 )ルーフベンチレーター(サンルーフ)は、以下の条件で装着することが出来る。
①ルーフの開口部は(最低0.5mm厚の金属板、あるいは最低1mm厚のCFRP、もしくは最低2mm厚のその他の堅固な不燃性の素材で)覆われていること。
②第5編細則「アクセサリー等の自動車部品」の1に該当する部品については、取り付けが堅牢であることを含み、同細則「エア・スポイラの構造基準」に合致しているものであれば装着が認められる。
9.2 )内 装
9.2.1 )前座席は後方に移動してもよいが、当初の後部座席の前縁を通る垂直面を超えてはならない。
9.2.2 )後部座席および後部座席安全ベルトは取り外しても良い。
9.2.3 )ダッシュボードとコンソールは当初のものを保持していなければならない(ロールケージ取り付けのための最小限の切除は除く)。メーカーラインオフ時から構成品が分割されていて、切り離しなどの改造が不要でかつ小物入れやオーディオなどのアクセサリー品を保持するためのものは取り外してもよい。
9.2.4 )ドア内張りはドアの形状に変化が生じないことを条件としてドアから防音材を取り外すことが認められる。内張りパネルは最低0.5mm厚の金属板、あるいは最低1mm厚のカーボンファイバー、もしくは最低2mm厚のその他の堅固な不燃性の素材で製作することができる。サイドプロテクションバーの取り外しは許されない。2ドア車の場合、後部側面ウィンドウより下に位置する内張りについても上記規則を適用する。電動ウィンドウを手動ウィンドウに交換することが認められる。手動ウィンドウを電動ウィンドウに交換することが認められる。
9.2.5 )ルーフ、荷物室および乗員が着座しない空間の内張りとフロアーカーペットの取り外しは自由。
9.2.6 )暖房装置は当初のものを保持していなければならない。ただし、エアコンの取り外しは配管およびコンプレッサー等を含み許される。
9.2.7 )2ボックス車の着脱式リアシェルフの取り外しは許される。
9.3 )追加アクセサリー
9.3.1 )車両の美観または居住性向上などを目的としたアクセサリーは、車両の性能および特性に影響を与えない場合に限り取り付け、取り外しおよび変更が認められる。
9.3.2 )操作性向上を目的としたペダルおよびシフトレバーの変更は、当初の原理および機構が保持されていれば認められる。フットレスト等の追加、変更は認められる。
9.3.3 )各種メーター(モニター機能のみを目的とするものに限る)の追加、変更は認められる。
9.3.4 )障がい者用操作装置の装着は認められる。ただし、健常者は使用しないこと。
9.4 )座 席
変更する場合は下記の規定を満たすこと。
変更の有無に拘らず乗車定員分の座席を有すること。
①座席の幅×奥行は400mm×400mm以上確保すること。
②座席面上で座席前端より200mmの点から背もたれに平行な天井までの距離は800mm以上確保すること。
③座席および当該座席の取り付け装置は衝突時等に乗員から受ける衝撃力、慣性力等の荷重に耐えるものでなければならない。 ④座席の後面部分(ヘッドレストを含む)は、衝突等で当該座席の後席乗員の頭部等が当たった場合に衝撃を吸収することができる構造でなければならない。
⑤追突等の衝撃を受けた場合に乗員の頭部が過度に後傾するのを抑止することができる装置(ヘッドレスト)を備えるかまたは座席自体が同等の効果を有する構造でなければならない。
⑥2名乗車車両のシートの車体フレームへの直付け(スライド機構無)は許される
なお、変更する座席および座席取り付け装置は、上記のほかにFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条第16項2.3.4.5.座席の固定点および支持具を満たしたものでなければならない。
9.5 )補 強
9.5.1 )補強は、使用される材料が当初の形状に沿いそれと接触していれば修正加工を含み許される。複合材料による補強は第4−2図のように片面にのみ許される。また、車体、ならびにサイドシル・各メンバー等の空洞部を第4−3図のように充填することにより補強することができる。また、補修を目的とした溶接等は認められる。

9.5.2 )車体のサスペンション取り付け部を繋ぐ取り外し可能な(ボルトによる取り付け)補強バーの取り付けは許される。ただし、その取り付け点はサスペンションの取り付け点から100mm以内であること。また、メーカーラインオフ時に標準装着されているタワーバーについては、取り付け点を変更しなければ他のものに変更できる。
9.5.3 )スペアタイヤのサイズを変更したことによって、当初の格納カバーが装着できない場合はそれを取り除くことができる。
9.5.4 )マフラーの補強は脱落防止、破損防止を目的としたものであれば許される。
解説
第9条では、RJ車両の車体に関する改造ルールを定めています。9.1で外観は、ホイールキャップの取り外しが必須で、ヘッドライトカバーやアンダーガード、マッドフラップ(条件付き)の装着が認められます。9.2で内装は、後部座席やエアコンの取り外し、ドア内張りの変更(不燃素材使用)が可能ですが、ダッシュボードは保持が必要です。9.3でアクセサリーは、性能に影響しないものや操作性向上のペダル変更が許可されます。9.4で座席は、指定寸法と安全基準を満たす変更が可。9.5で補強は、当初形状に沿った材料での加工やサスペンション部の補強バーが条件付きで認められます。